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【大友克洋】AKIRAを読んで思ったこと・社会と戦えたのは不良だった、世紀末と政治と不良と

AKIRAを改めて読んだ。
世紀末、宗教、超能力、不良、研究機関、薬物、アメリカ
多くの要素は形状を変えながら90年代まで持ち越されていく。
ベトナム戦争、冷戦、チーマー、アメリカン・ニューシネマの影響を持ちながら
世紀末で行われた群像劇は、いかなる力を持っていたのか。
物語の歴史ということを考えたとき、AKIRAが上がることがあまりない気がしている。
それはあまりにも画・ファッションとしての影響力が多きすぎ、まずその点が目に行くからでもあろうし、内容がストレートに後世へ影響を与えてるようにも見えないからである。
そこで、一度物語の歴史の中で、AKIRAはどういう立ち位置にあるのか考えてみることにする。

超能力、軍事、研究機関、といったモチーフはエヴァンゲリオンにも見られ
エルフェンリートにつながっているだろう。
エルフェンリートなどと対比を行うことで、セカイ系のある00年代と80年代の差、または類似性が見えてくるように思えた。

以下雑多に解説

前半、金田を中心とする物語は学生闘争・安保闘争に似た対政府組織ゲリラ戦と、不良同士の抗争といった要素からなっており
狂い咲きサンダーロードなどと心象は近い
一方、同時に描かれる政府側は読んでいる側からすれば、なにかよく分からないやばいものを隠すために動いている組織である。
中央機関が良く分からない秘密を持っているのはエヴァンゲリオンにも近いものが無いだろうか、政府や軍事組織がどういった表現をされているかだけでも価値があると思われるが。ここはいったん置いておく。ただ、大佐は超能力の暴走というリスクを常に考えており、ただ悪い大人という表現をされているわけではないことは、最後の巻でも伝わることだろう。
鉄男を中心とすると、超能力の目覚めと大人になれない自我、薬物中毒、といった要素を持ちつつ、政府組織に近づく。
クーデターの後、アキラの奪い合いの中、ミスによりアキラの力が暴走、東京は廃墟と化す。

後半になると、陣容が変わる。

大東京帝国
 鉄男、アキラをトップとした新国家だが二人は組織内に関わりはない、暴力的なゲリラ組織でイスラム国に近いようなもの。主人公側と対置する組織として置かれている。鉄男が月を破壊するところで、組織と鉄男の乖離が明確に示されており、そのまま鉄男の暴走にもつながる。月の破壊直後に暴走する肉体が描かれているのは、その同時進行から。
アメリカ
 軍事力により解決しようとする外部存在。前編で政府が担っていた強大な統治組織であるが、その強大さは鉄男の力を示すためや、最後の独立を演出するための敵に使われる。
大佐
 衛星兵器により解決する存在、前編と方向性は変わらず。
ミヤコ教
 超能力の実験を知る存在であり、超能力戦が多くなる後半で場を収めようとする存在、アキラ鉄男に対して、金田の周辺や超能力者メンバー、大佐などがここに集まっていく。ヒロインであり、当初から常識の持ち主であるケイを最後の切り札として使うことになる。

全体的なことを言えば
画的な部分だけでなく、AKIRAはメビウス&ホドロフスキー作アンカルが基軸になっているだろう。
多くの闘争の中で、様々な在り方が提示され、闘争の末に精神的な問いかけを超常的な空間の中で問われる。
この、最後の精神的な問いかけという構成や表現に近さをもちながら、思想は別である。
メビウスは未来へつなぐということをしなかったが、
AKIRAでは、急速に育てられてしまった超能力者という新人類性を引き継ぎつつ、俺らが国を作っていく、前に進むんだというエンドのようである。
特に最後、金田と大佐の会話の中で先に行くということがシーンとしてが示されている。
こういった若者によくあるであろう、社会に対抗し自分たちで世界を作っていくぞ!!という上昇志向性は、現在でも進撃の巨人という形で共感を呼んでいる。

この大人への不満を爆発させ乗り越える、上昇志向性の系譜は80年代ラブコメの流れとは別であることを思えば、ひとつの系譜として考える必要性がありそうだ
大人を、社会組織を乗り越えられない姿はエヴァンゲリオンで示されており、セカイ系もこの系列にそう。

薬物による超能力開発は、肉体改造によってサイボーグ化がなされた009や機械の体を持つキカイダー等とは違う特徴を持つ、それは内から湧き出す狂気である。
ロボットは他者にコントロールされる存在であり、電磁波によって正気を失うことはあっても、それは体外的な原因によることが多いように思う。
古く、サイボーグは肉体の変化であって精神の変化はそれに加えての洗脳であったところから、サイボーグ自体は狂気の発信元ではない。
薬物による能力開発は、とはいっても自分の肉体であり、自分そのものがいつの間にか変化するということが起こりうる。この内発する狂気と向き合う姿はその後の年代に多くなっていると思うが、まだこの資料もまとまってはいない。
うしおととら、雫・痕、ヴェドゴニア、月姫、等があり
幽遊白書、トライガン等も強力な力を持て余し人外化していっている
もののけ姫も入るのかもしれない。

急激に成長させられた能力に精神の成長がついていっていないさまも、最後の培養によって育ったことなどからも描かれているが、これは急激な経済成長とバブル崩壊を認識させられる。
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プロフィール

佐々垣達郎(ささやん)

Author:佐々垣達郎(ささやん)
アニメ創作をしたいとか言いつつ早6年、いまだになんも仕上がってない現状はさすがにやばいんじゃないかね!?
最近はニコマス面白すぎて没頭中。

twitter https://twitter.com/sasagaki132

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